広告表現が薬機法違反になるとどのような罰則を課せられるか知っていますか?
化粧品の販売や美容広告に携わる方は、違反にならないように日ごろから薬機法や関係法令の知識を習得しておくことは必要不可欠です。
薬機法の広告規制の内容や罰則について解説していきます。
広告の該当性
そもそも広告ってどんなものが該当するの?

広告の該当性については下記のように定められています。

広告の定義
①顧客を誘引する意図が明確であること
②特定医薬品などの商品名が明らかにされていること
③一般人が認知できる状態であること
「広告」の定義
平成10年9月29日付け厚生省医薬安全局監視指導課長通知
上記に該当するものが「広告」とみなされます。
事業者の広告だけに限らず、アフィリエイターの記事、インフルエンサー等個人のSNSやブログなども対象となりますよ。

薬機法違反の罰則制度
それでは、実際に広告が薬機法違反、と判断されてしまった場合どのような罰則があるのでしょうか。
対象となりえる広告
■虚偽・誇大広告66条
製造方法や効果効能について、実でないことや、消費者に勘違いさせるような大げさな表現を禁止してます。
■承認前の医薬品等68条
承認前の医薬品等を、製造方法や効果効能などについて表示する事を禁止しています。
これらの規制に違反した場合
■薬機法85条4号5号
2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれらを併科
さらに、令和3年8月1日より「課徴金制度」が定められた為、違反対象売上金額の4.5%の課徴金が課せられることになります。
この後は課徴金制度について説明していきます。
課徴金制度とは
令和3年8月1日に改正薬機法により、広告違反についての課徴金制度が定められました。
改正前までは、前述の薬機法第66条の「虚偽・誇大広告」違反をした者には、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、または併科」が科されるというものでしたが、薬機法改正後は、違反していた期間の対象の売上額の4.5%の課徴金を課させる、というものです。
(課徴金納付命令)
薬機法第七十五条の五の二
第七十五条の五の二 第六十六条第一項の規定に違反する行為(以下「課徴金対象行為」という。)をした者(以下「課徴金対象行為者」という。)があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に係る医薬品等の対価の額の合計額(次条及び第七十五条の五の五第八項において「対価合計額」という。)に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
それでは、どのような場合に、誰が、どれくらいの期間、対象になるか、などを詳しくみていきましょう。
対象行為
66条第1項の虚偽・誇大広告に違反する行為を「課徴金対象行為」と定義しています。
課徴金対象行為をした者に、売上の4.5%の課徴金が課されます。
(誇大広告等)
薬機法第66条第1項
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
対象者
課徴金の対象になるのは誰か??
ということですが、対象となるのは、「課徴金対象行為」となる取引をした事業者になります。この場合、薬機法上の製造販売業許可を受けた事業者だけでなく、市場に流通している化粧品等を仕入れて販売している小売り業者も対象となり得ます。
広告代理店やアフィリエイター、インフルエンサーが直接課徴金の納付命令の対象となるわけではありませんが、その広告内容によっては契約企業の販売の取引について、納付対象となる可能性もありますので、企業側としては広告の依頼やプロモーションについても管理や注意が必要です。
課徴金納付額・対象期間
課徴金の納付額は、課徴金対象行為となる取引の売上の4.5%です。
対象期間は、原則として違反行為を行っていた期間ですが、違反行為を辞めた後に対象となる取引をした場合には対象期間が延長するなどの規定もあります。また、期間は最長で3年間となっています。
措置命令までのながれ
どのように課徴金措置命令がされるかというと、下記が厚労省が公表資料となります。
まずは、行政から実態についての調査があり、その中で行政指導や弁明の機会の付与などの機会を経て、最終的に行政処分として命令が下されることになります。

まとめ
以上が薬機法における広告違反の罰則、課徴金制度についての説明となりました。 化粧品等販売事業をしていく上で、薬機法を正しく理解し、ガイドライン等を守った安全な運営をしていく事が大事です。自社だけの広告に限らず、プロモーション等を委託する広告代理店やインフルエンサーのSNS投稿など、幅広く管理していく事が大切です。
広告表現に不安がある場合は、ホームページ、SNS投稿、動画広告等の薬機法、景品表示法チェックを承ります。お気軽にご相談ください。
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